最終話

4/4
前へ
/115ページ
次へ
いつか、いつか、と思っていたら、今日が五日だったということに気づいて、一人で少し笑った。 さあ、わたしも、そろそろ眠ろう。 隣ですやすやと、まるで子どものように眠る寬仁を見つめた。 わたしはもう、この人の妻なのだ、と思うと、はちきれんばかりのうれしさが、心の底から湧き上がってくる。 先刻(さっき)、寬仁がわたしにしてくれたように、今度はわたしが眠っている彼の頬に接吻をする。 わたしは、明日、世界で一番しあわせな花嫁として、朝を迎えるのだ。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1325人が本棚に入れています
本棚に追加