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僕は三月中旬の沖縄の万座ビーチにほど近いホテルに家族旅行に来ている。
ことの発端はお父さんが花粉症で沖縄には杉の木がないから皆んなで行くぞの一言だった。
僕は内心楽しみにしていた、飛行機に乗るのは初めてだった。
お父さんにお願いして機内の席を窓側にしてもらった。
「智、羽田空港で買った弁当食おうぜ」
「僕はお腹まだ空いてないから後で食べるよ」
「そっか、わかった」
「後でちゃんと食べろよ」
「了解」
離陸してまだ間もないので、僕はまだ緊張していた。
後ろの座席にはお母さんと里奈が居て
まだ小さい里奈にお母さんがお弁当を食べさせているようだった。
気圧のせいか僕の耳鳴りがひどくもうこのまま
治らないじゃないかと心配していた。
飛行機は、あっと言う間に那覇空港への着陸態勢に入っていた、これは離陸より緊張した、無事着陸に成功した時は心の中で呟いた。
「よかった、よかった」
気がつくと僕は隣のお父さんの左手を強く握っていた。
東京は小雨だったが沖縄は雲一つない快晴だっ
た、沖縄の空気はどことなく少し溶けたストロベリーチョコレートの香りがした。
お父さんが里奈を抱っこしながら奇声をあげていた。
「マジか!全然目がかゆくないぞ!沖縄最高!!」
僕らはその足でレンタカーを借り国際通りで買い物をしたり、お母さんが調べてくれたアイスクリーム屋さんで僕の大好きなアイスクリーム
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