家族

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を食べた、珍しくお父さんまで食べでいた。 その後はアウトレットモールで散歩がてらの買い物、お母さんは雑貨屋さんが大好きでそれに家族が付き添うのが家族ルールのひとつだった。 僕の耳鳴りは、気付けば嘘かのように元どおりになっていた。 ホテルに着いたのは午後四時を過ぎた頃だった。 お父さんがフロントでチェックインを済ませ、係の人が部屋まで案内をしてくれた。 お父さんはホテルの係の人に後は大丈夫と部屋の前で荷物を受け取り、さっさと戻らせた。 「パパ、じゃー部屋のチェックよろしくね」 「了解」 お母さんの腕の中で里奈は小さな口を開けて爆睡していた、僕も合わせて三人は、お父さんが部屋のチェックをしている間は廊下で待機していた。 これはうちの家族では当たり前のルールだった。 お父さんは霊感が強い、家族旅行などの場合は必ず部屋のチェックをする。 去年の夏の西伊豆の旅行は最悪だった。 お盆休みにお父さんの趣味のサーフィンを兼ねて二泊三日の旅行だった。 二泊で別々のホテルを予約していた,問題は一泊目のホテルだった。 大きなホテルの外観は立派だったが中に入ると少し天井が低く感じた。 僕たちは家族ルールでお父さんが部屋のチェックをするまで廊下で待っていた。 「お母さん、お父さんなかなか出て来ないね」 するとお父さんが慌てて出て来た。 「ママ、この部屋ダメだね、かなりヤバイよ、何人もこの部屋で死んでる」 「えっ!マジでどうするの?」 「ここに居てもヤバイからフロントに戻ろう、部屋変えてもらおうぜ」 僕とお母さんと赤ちゃんの里奈はフロントから少し離れたロビーのソファーに座っていた。 お父さんはフロントで三十分近く、色々な人と話している。 「お父さん、なかなか戻って来ないね、次の部屋は大丈夫だと良いね」 「後は、お父さんに任せましょう」
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