0人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女とは、とある風変わりなイベントで出会った。
当時の僕は失恋と失業をほぼ同時に経験したばかりで……実を言うと、まったく乗り気ではなかったのだけれど。
落ち込む僕を励まそうという友人の誘いを、無下にはできなかった。
彼女は会場の隅にひっそりと佇んでいた。
照明もろくに当たらないような隅っこで――。
控えめに。
ひそやかに。
――きっと、僕に見つけてもらうのを待っていたのだと思う。
「どう? 気になる子、いた?」
「……別に」
友人の問いかけにも、僕は興味のないふりをした。
だけど本当は、彼女のことで頭がいっぱいだった。
だから僕は、友人には内緒で彼女に連絡を取った。
そして彼女が初めて僕の家にやってきた時――。
僕は感激のあまり、彼女の細い身体をぎゅうぎゅうと力一杯抱きしめてしまった。
そんな僕を拒むことも責めることもなく。
彼女はただ静かに受け入れてくれた。
彼女と過ごした初めての夜――。
細い腰。
上品な臍。
弾力のあるお尻。
すべすべとした手触りのいい内腿。
そして、水草のような薄めの陰毛。
仄かな月あかりに照らされて浮かび上がった彼女の裸身を――。
僕は今でも忘れられない。
最初のコメントを投稿しよう!