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「きゃあっ!」
僕と彼女――ふたりだけの水の底のような静かな生活を壊したのは。
「何これ……気持ち悪い!!」
僕が彼女と知り合う前に一緒に暮らしていた女だった。
「ちょっ……これ、私の服じゃない!」
彼女が着ているベビー・ブルーのニットが自分の置いていったものだと気付いた女は。
彼女に掴みかかるやいなや、力ずくで服を剥ぎ取った。
――彼女が抵抗できないのをいいことに。
「……やめろ。彼女に手を出すな」
僕が怒気を孕んだ低い声で呟くと。
女は憐れみの目を僕に向けた。
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