28.終焉

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28.終焉

「わかったぞっ!」 偽りの太陽が姿を消した頃。 俺は歩夢や神林さんより早く目が覚めた。 夢──。 眠りが浅いときに見るこの想像世界は、眠りが深くなれば記憶が消えたように忘れてしまう。 眠りが浅いまま目覚めた時。それがいわゆる『夢を見た』ということに繋がる。 「な………なんだ?河意」 「どうした?」 「わかったんだ!この世界から出る方法」 俺が見た夢──。 それはただの夢に過ぎないのかもしれない。 だがなにもしないでこのまま現実世界に戻ることが遠退いて行くのならば、ほとんど希望のないことであろうが試す価値はあると思った。 「何でまた……」 「しおりは………生きている。夢を見たんだ、しおりが俺に教えてくれた」 「寝ぼけているのか??」 「…………………。それを詳しく話してくれないか?」 俺が寝ぼけていると思っている歩夢に対して、神林さんはこれに食いついてきた。 「単刀直入に言うと………」
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