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「ありがとうございました」
「お邪魔しました~」
その後、山本さん宅を後にした私たちはそれぞれの帰路につきました。
月が姿を表しても、星空が広がっても私はまだ家に戻りませんでした。
「…………」
着いた先、それは学校でした。
夜の学校というのはいくつもの噂があるように、飲み込まれそうなほどに不気味でした。
「河………意」
彼が無事でいるかどうか不安でした。
破裂しそうなほどに心は負の感情に染められています。
「楽しかった……のに……」
楽しかった。
その日々が戻ってきて欲しい。
月明かりに照らされて静かに煌めく涙。
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