二つの分かれ道

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「小さな手の中に」 その手ににぎった大きな夢を 私にもいつか見せてほしい にぎって離さぬ希望の光を 大切にあたためてほしい 今日は碧い星屑の光を 明日は黄色い星屑のきらめきを 君の夢や希望は変幻自在だ 幼い瞳はガラス玉のように曇りがない 私たちとは見えているものがきっと違う だから、捨てることにも拾うことにも意味を持たない 欲しいものを思いのままに欲しがるだけだ 大人になればにぎった手をひらいて そこにたくさんの荷物を持たなければならない 左手に抱えた苦い経験も 右手の中にずっとあるいつかの淡い恋心も いろんなものに意味を持たせて 次の駅まで運ぶのだ 次の駅で降ろせなければ その次の駅 また次の駅 幸せの欠片が 荷物に紛れ込んでしまうこともある 荷物を持つために 遠く昔の駅へ大切なものを置き去りにしたこともある きっと君もそんなふうに 荷物を増やしたり減らしたりしながら ひとつひとつ駅を越えていく だからこそ、今この瞬間 君の手の中にある夢や希望は 宇宙のようにキラキラ輝くのだ 小さな手からこぼれ落ちた希望の星屑を 拾い集めたいのなら 喜んで手伝うよいつかは一人ですることになるから そして大切な誰かと分かち合うだろう その時までは 君の手のひらに星屑をのせて 手首にリボンのプレゼントを おまけに付けておくね にぎって離さぬ希望の光を 大切にあたためられるように 願いを込めて
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