光になって土になって

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光になって土になって

深く青い海の底で  時には暗く音もない宙の隅で 私たちは いつも共に揺らめいていた 絶え間なく注ぐ光の粒子となって 時には光の届かぬ密林の湿った土の表面で 私たちは いつも共に存在していた 爆音が轟く赤く染まった町で 時には穏やかな波音が心地よいあの浜辺で 私たちは いつも共に手を取り合っていた 空に近いあの塔のてっぺんで 時にたくさんの仲間に囲まれながら 私たちは いつも共に考えていた 真っ白な光の中で 幸福の繭の中で 私たちは いつも共に抱きしめ合っていった 平和を祈る音に包まれながら 優しい雨の恵みを受けながら 私たちは いつも共に生きていたことを知った
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