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多分。坂田先輩にも話を聞いているんだな。 気になる事をそのままにしない。 だって。 来生高嶺だもの。 何でもお見通しだ。。 三代目さんが無理を言う時 必ず それをやるのが来生高嶺だろう!と 言うのを思い出し くすっと笑うと 高嶺さんは 不服そうに顔をしかめた。 「そんなに面白い顔をしたつもりはありませんが。」 「あ。違います。。ごめんなさい。 ちょっと思い出しちゃって。。」 急いで手を振り謝ると ふっと笑われる。 何だろう。。 高嶺さんはコーヒーカップに口をつけ 「久しぶりに楓の笑顔が見れました。 それだけでも連れてきた甲斐がある。」 そう言って 煙草をポケットから出し 柴田さんへと 見せる。 「早死にしますよ。」 と言いながら 灰皿を持ってきてくれ 高嶺さんは席を立つと ひょいひょいと手招きした。 釣られて立ち上がり ついていくと 高嶺さんは奥のガラス扉を開け 外に出る。 テラスになっていて 海が更に近くに見えた。
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