【2】

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学校へと向かう生徒の間に、ごく自然と存在していた二人と一人だったが、校門まであとわずかのところで大悟がその足を止めた。 「お前はダメだろ」 振り返り、後ろを歩く少年へそう言った。 「どうして?」 「どうしてもなにも、お前うちの生徒じゃないじゃん」 「制服も着てないしね」 「え~っ!僕も行きたい!」 「行きたいって言って行けるとこじゃないんだよ。っつーか、オレなんてむしろ行きたくない」 「やだ!楽しそうだもん。行ってみたい!」 「お前な……いい加減にしろよ!」 「――大悟」 千紘の声に顔を上げると注目を浴びていることに気付き、とりあえず少年を物陰へと連れていく。 「お願い!」 「君の気持ちもわからなくないけど……さすがにちょっと難しいな」 千紘がやんわりと納めようとするが、彼は改めて深々と頭を下げた。 「そこをなんとか……お願いします!」 困ったような表情を浮かべていた大悟だったが、ふうと大きく息を吐き出すと「わかった」と言った。 「ホント!?」 「ああ」 「やったあっ!!」 「わかったって……一体どうするつもりなんだよ?」 とりあえず、付け焼刃ではあるが思いついた方法を話して聞かせる。 「なるほどな……出来なくはないと思うけど、本当に大丈夫か?」 「大丈夫だろ。あの先生、午前中は大体職員室にいるから」     
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