【4】

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人間界(ここ)へ来ることは許されていないからね」 彼は苦笑いを浮かべた。 「後悔はしていないよ。花開かせたかった……たとえそれが、神に背くことだったとしても」 「…………」 「アダムとイブが創造されてから、それが世界の定説になった」 「は……?」 「じゃあ、今目の前で結ばれた君たちは一体なんなんだろう」 「お前何言って――」 「何も変わらない……同じ想いのはずなのに」 その体がゆっくりと浮いていく――まるで空に吸い込まれるかのように。 「……それが罪だというのなら、僕は甘んじて罰を受けよう」 薄汚れた埃のような塵が彼を包んで、その体が少しずつ泡のように溶けていくのをただじっと見ていた。 「そういえば、君は僕の犯した【禁忌】を知りたがっていたね」 彼は慈愛に満ちた笑みを浮かべていた。 「え……」 「教えてあげる。僕が犯した【禁忌】とは――」 天使の口元がゆっくりと動く。 驚いた表情を浮かべた大悟に、彼は優しく微笑むとその姿を消した。 唖然と見上げる視線の先には、青く澄んだ空だけがどこまでも広がっていた。
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