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「マジか! ちょっとタンマ! 絶対、おじさんたち人まちがいしてる!! オレは出演者でもなくてただの高校生だから!!! 」
「皆の者、少し待て!」
それを聞いた小柄な侍が供連れ侍を制した。
小柄な侍は、いぶかしながらもカケルの真意を問いただそうと、
「高校生? 聞きなれる言葉じゃ。言葉使いを聞くと、三河者のようでもないようだな。小僧よ、どこの生まれじゃ? 」
「オレは、奈良の平群郡の時生カケル! 高校3年生の17歳! 」
「奈良とは……、あの、大和の国か? 」
「そう、大和の国! 東大寺の奈良の大仏知ってるでしょう? あそこ! 」
小柄な侍は、少し、首をひねってなにか思い出すそぶりから、なにか、閃いて、
「大和……大和と……、お主、もしや、医師の北庵殿の供連れか? 」
「あんた、北庵先生知ってるの!? 北庵先生の娘がオレの同級生! 」
「おお、お主は北庵殿の供連れか、それは良かった。徳川の者にこのような豪の者がおってはワシらも枕を高くして寝ておれぬところであったわ。 だが、北庵殿の供連れの名前はたしか、嶋左近であったような……」
「嶋左近? それならオレはゲームでやってるよ。おじさんも関ヶ原やってるの? 」
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