4左近、時をかける!(現代、左近のターン)

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「お兄ちゃん、また、徹夜でゲームしてたんでしょう? 」と、ひょっこり、学生服を着た娘が顔を出した。 左近は、武士が主君にするように姿勢を整え、学生服の娘へ、 「おお、これは天界の天女殿のお導きでござるか、この嶋左近感謝いたす」 と、深々と頭を下げた。 学生服の娘は、キレイに整理整頓された部屋を一見するなり、心配してツカツカと左近へ近づくと、サッとオデコへ手を当てて熱を確かめた。 「お兄ちゃん、熱はないようね。でも、今日はいつも以上に頭がヘンよ。とりあえずお母さんの作った朝食を食べてから学校どうするか考えましょう」 ――ダイニングキッチン。 横長のシステムキッチンの台所へ、長方形のテーブルにチェアを4脚。 テーブルには、目玉焼とカリカリのベーコンと、ゴハンと湯気上がるアサリのみそ汁が並んでいる。 「お母さん、お母さん! 今日、お兄ちゃんがヘンなの!」 と、学生服の娘が左近の腕を無理矢理引いて入って来た。 「清香、お兄ちゃんがヘンって、いつものことでしょう。もう、ワタシはあきらめてるから」 「ちがうのお母さん! お兄ちゃんが部屋を掃除してたの!! 」
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