4左近、時をかける!(現代、左近のターン)

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お母さんは、「それはヘンね? 」と、疑って、左近のオデコへ手を当てて熱を確かめた。が、先程、清香がはかった時と同じ平熱だ。 「カケル、そこへ座りなさい」 カケルと呼掛けられた左近はきょとんとして尋ねた。 「お母さんとやら、カケルとは誰のことにござるか?」 側で見ていた清香が、心配して見てらんないと頭を振りながら、左近を母親の前に座らせた。 お母さんは、まるで警察の取り調べのように静かな声で、 「カケル、悩みがあるなら包み隠さずお母さんに話してちょうだい。どんなことでも受け止めるから、きっと、アレでしょう? 北庵病院の月代ちゃんにフラれでもしてツラくてそうなっちゃったのね、ね、ね、そうだと言って! 」 「月代?! 」左近は、その言葉に身を乗り出した。 「おお、お母さんとやら、ワシの妻の月代をご存知か、ワシが死んで月代へ徳川からの罪状には及びませんなんだか? 」 いよいよ、お母さんは顔色が青く変わって来て、一つ一つ物事を正すように、
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