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ヒヒーン!
遠くで馬のいななきが聞こえた。
「来たぞ! 悪魔の馬が! 」
そのいななきに足軽たちに動揺が走った。
霧の中に浮かぶ黒い影。
「あれは6尺3寸はありますな」
いつの間にかカケルに寄り添った足軽がそう目算を言った。
「デカいなあ」
カケルは、ゲームのイベントと信じて責任を感じていないから子供のような声を漏らした。
足軽は、
「さすが、あの山県殿に気に入られた嶋左近殿。豪気なことでございます」
耳を澄ますと蹄(ひずめ)の音が近づいて来た。馬群だ。
やがて、先頭の巨馬が姿を現した。
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