5山県昌景(戦国、カケルのターン)

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巨馬は足軽の目算通り2mをはるかに越える漆黒の巨馬だった。背景の霧に隠れて馬群の馬の大きさはわからないが、この馬はひときわデカイ。 漆黒の巨馬は、荒れた鬣(たてがみ)を振り乱し、野生の眼光鋭くカケルたちを見つけると、威嚇するようにいななき1つあげた。 漆黒の巨馬のいななき1つで足軽たちは恐れをなして逃げ出さんばかりである。 カケルに寄り添った足軽だけは、違ったようで、慣れた具合いで、囮の馬へヒョイと跨がって、セイヤッ! 一ムチくれて駆け出した。 「左近殿、ワシが巨馬をけしかけます。突っ込んで来たのを見計らって、絡めとっていただきたい」 「了解! 」 つづく
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