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4左近、時をかける!(現代、左近のターン)
――目覚めたら、陽射しが眩しい。オレはあの関ヶ原の乱戦の中で、憎き徳川家康の首まであと一歩のところで、横合いからの銃弾に倒れた。
止めようにも止まらない血がながれ、オレはそのまま気を失った。
「オレはまだ、生きておるのか……」
うっすら目を開けた。
「ここはどこだ! 」
関ヶ原で死んだ嶋左近が目を開けるとそこはカケルの部屋だった。
左近は、カケルの薄暗い一戸建ての2階屋をキツネにつままれたような目をして一望した。
「これが、あの世というものか、それにしても狭く乱雑な部屋じゃ」
机にほうり投げられたスクールバックに、脱ぎすてた学生服をそのままに、ゲーム関ヶ原の電源は入ったままだ。カケルのだらしなさがうかがえる。
「仕方がないの……」
左近は、乱雑な部屋を目につくところから整えはじめた――。
小一時間ほど経つと、誰かがコンコンとドアをノックした。
左近は、「誰じゃ、構わぬ入って参れ! 」と、返事をした。
すると、
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