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3ネトゲで寝落ちしたらいきなり戦国
「おい小僧、起きよ! 」
「……母さん?! (おっさんの声だったような、今日は父さんが起しにきたか)」
「おい、起きぬか小僧よ!」
「しつこいな、父さん!」
カケルは、ガバッとはね起きた……。
「ここはどこ?!」
目をあけると、一面に広がる緑に囲まれた土の道から砂ぼこりが上がった。舗装(ほそう)されていない。ただの道端みちばただ。
「ここは信濃の国諏訪の町である。小僧よ」
と、言ってカケルの目の前に、馬に跨がった真っ赤な陣羽織を着た小柄なチョンマゲ侍が供連れを連れて立っている。
カケルは、目の前に広がる非現実に面食らって、キョトンとした口調で小柄な侍へ尋ねた。
「あの~、見ず知らずの方に何度も失礼しますけど、ここはどこですか? あの、時代劇の撮影かなにかでしょうか? 」
小柄な侍は、なにを言い出すのだこの若者は、と言う表情でナマズヒゲを指でつまんで、
「小僧よ、お主なにも知らぬのだな、まさか、徳川の間者かんじゃではあるまいか?」
「いいえ、徳川病院の患者ではありません」
カケルは真顔で応えた。
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