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act.05
翌朝。といってももう昼に近い時間だったが、真一は自宅のベッドで目が覚めた。
頭がガンガンする。枕もとには、誰が置いたのか、二日酔いの薬が置いてあった。その隣には携帯電話が置いてある。着信アリのメッセージを見ると、隼人だった。30分前にかけてきている。
真一が電話をかけると、不機嫌そうな隼人がツーコール目に出た。
『おはようといっても、もう昼だけど』
「おはよう・・・。電話かけてきてくれた?」
『何呑気なこと言ってんの? 夕べのこと覚えてないの?』
真一は首をかしげた。頭が痛む。左手を布団から出してぎょっとした。手には厳重に包帯がまかれてあった。
「すごくバカなこと訊いてもいいかな?」
『なに?』
「なんで怪我してるのかな?」
向こうで溜息をついている音がした。
『まったく酒に飲まれるなんて、真一さんらしくないよ。夕べマスターに病院に呼び出された時はびっくりしちゃったよ。ほら、マスター、真一さんの家知らなかったからさ』
そこまで聞いて、真一は顔を青くした。
「夕べ、俺、何したか知ってる?」
しばらく沈黙があった。
『悪ふざけしてコップ割っちゃった程度だよ』
「そうか・・・。でも、血が・・・」
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