こどもの証

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会計を済ませ、ファミレスを出た。お金を払う際も気を使われて、払うよ、なんて言われるとは考えもしない。大人なんだからドリンクバー代くらい払える、と黙らせたが。 外は相変わらず蒸し暑く、コンクリートからの熱気も相まって、体感温度は少し上がっているかもしれない。 平日で人が少ないため、ショッピングモールへ行く道はスムーズに進めたのだが、道中殆ど言葉を交わさず来てしまったのは気がかりである。実際会うと、妹とはいえ、年頃の女の子に何を話せばいいか分からないものだ。 「日和、新しいお父さんとはうまくやれてるか?」 しまった、と冷や汗が背を伝う。ずっと気がかりだったせいで、口をついて出てしまった。予想通り、日和は一瞬表情を固め、困っているように見える。 「うん、うまくやれてるよ」 少しの間を挟んで発された声は、消して明るい調子ではなかった。日和が、聞かれて嘘をつかないはずが無いのに、わざわざしなくても良い質問をしてしまうとは。 「そうか、良かった」 わだかまりを抱えたまま返答する。日和に確認したい気持ちはあっても、問い詰めたところで良い方向に進むかは分からなかった。 「お兄ちゃん、見て!」     
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