いつも傍にーー

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滉と楊が見ている前で、近くを通りかかっていたらしい美夕が赤いランドセルを放り投げて池に飛び込んだのだ。  必死に泳いで小さな一年生の傍まで行ったはいいが、美夕は三年生になっていたとは言え、身体は小さい。 到底、子どもを抱えて岸まで辿り着けるわけがない。 「あのバカ!」  叫ぶように言った滉が走り出そうとする一瞬前に、荷物を放り投げた楊が走り出していた。 「楊!?」
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