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「これどうしたの?」
すると菜月が、神妙な面持で僕に事情を説明してくれた。
「和也が入院中、私、和也のおかあさんにスマホの番号教えたんだよ!
和也が退院してからおかあさんから電話があって、和也からテニスラケットを捨ててほしいと頼まれた話しを聞いたの…
和也は、テニスを忘れて新しい道を探そうとしているらしいという話も聞いた!
でも私は、いつかまた和也とどうしてもテニスがしたくて、おかあさんに和也に内緒で捨てようとしている和也のテニスラケットを譲ってもらったのよ!
今まで隠していて、ごめんね!」
僕は、菜月を責めるつもりは、まったくなかった。
それよりも、僕は菜月の気持ちがとても嬉しかった。
僕は、菜月の気持ちに答えようと思って、菜月に質問した。
「今は休憩時間中だから、テニスコート借りてもいいのかな?」
すると監督が、
「どうぞ使ってください。」
と快く承諾してくれた。
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