子供

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子供

消したい。 できれば子供を。 だがそれだけはできない。厳密にはできるがやらない。 子供を消す、という都合の良い解釈は存在しない。つまりスズメを消さずに鳴き声だけとか、創作物の表現だけとか、そういう形として存在しない括りは消せない。 つまり人間は消せるが子供は消せない。 ボールを消すか?果たして意味があるとは思えないが。 問題の根源とは結局人間なのだ。鳥だって元を辿れば一部の人間の仕業にすぎない。 ここでボールを消したとてそれは一時的なものであり、それが向こうずっと続くとは到底思えない。 頭を悩ませている、この時もずっとダム、ダム、という非規則的な音は続いている。 苛立ちはないが、不安はある。結局鳥の後釜をこういう音が担うのだとすれば、幾分か以前のほうがマシだったと言わざるを得ない。 ダム、ダム――ダム 夕暮れが訪れる。 良くない。それもかなり。不規則な音は不協和音になり、横たわるリズムを遮っている。 考えてもまとまりそうにない。私にとってボールはいらない存在だし、ここは消してしまって、次の問題のとき考えれば良いだろう。 丸いアイコンを――一瞬動いた気がしたが――掴む。 カチャリ、スー、カチャ ダム、ダ――――
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