青空のいない世界

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それだけじゃありません。 太陽の光が当たる時間が少なくなったため、植物が育たなくなりました。街に溢れていたはずの緑はだんだんと茶色に変わっていき、スーパーに並んでいた野菜の数は日に日に減っていきました。 だんだんと、酸素は薄くなり、息苦しくなりました。 「このままじゃ、世界が危ない!! 」 危機を感じた世界中の偉い人たちは、集まり、話し合いました。 「どうして世界はこうなってしまったんだ。」 「朝が来なくなったからだろう。」 「どうして朝が来なくなったんだ。」 「我々人間が、青空を捨てたからだろう。」 「じゃあ、青空を連れ戻そう! 」 「……でも、青空はどこにいるんだ? 」 私たちが青空を捨てたのです。世界中の人々は誰も、青空の居場所を知るわけがありません。 偉い人たちは、困ってしまいました。
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