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人々は、女の子の言葉を頼りに、地面を掘り始めました。
ザクザク。カツカツ。ザクザク。
しばらく掘り進めると、ポヨンっとした何かにシャベルの先が跳ね返されました。
それは、キレイな空色をしています。
「……青空さん、かね? 」
恐る恐る、声をかけました。
「そうです。」
とても、とても小さな声でした。小さかったけれど、怒りのこもった声でした。
「青空さん、すまなかった。
我々人間が間違っていた。
あなたがいなくなって、どれだけ大切な存在だったのか気づいたんだ。」
青空さんは、何も言いません。
「青空さん、ごめんなさい。」
「お願いします、戻ってきてくれませんか? 」
「このままだと、死んでしまうの。」
「人間が滅んだ次は、この地球まで滅んでしまうかもしれないの。」
「あなたの力が必要なの。」
人々は、思い想いに青空さんへ言葉を送りました。
「君がいなければいけないんだ。
我々は、本当に反省している。どうか、戻ってきてはもらえないだろうか。」
改めて、偉い人が謝りました。
それでもやっぱり、青空さんは何も言いません。
すると、女の子が青空さんの中に飛び込みました。
そして、力いっぱいに抱きしめたのです。
「私、青空さんがいてくれて良かった。そうじゃないと今頃どうなっていたか分からないもの。
あなたはとても優しいでしょ?
だから、私だけじゃなくて皆のことも助けてあげて? 」
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