1/1
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ

電話が切れて、10分後。 家の前に車が止まった。 見たことのない車。 私は、シャワーを浴びて、髪も乾かさずに、最低限のメイクをした。 それだけしか出来なかった。 時間的にも、精神的にも。 それでも、母親は少し嬉しそうだ。 心配もあるけれど、帰郷してから初めてしたメイクに、母は涙を浮かべていた。 車から。 男が降りた。 若々しい青年ではないけれど、年齢相応に老けた感じもない。 彼だ。 そう思った時に。 私の心は、久しぶりに呼吸した…。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!