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◇◇◇◇◇◇◇◇
ぱち
目を開ける
見えた
少し離れたいつもの背中に瞼を落とし
身体を起こす
───久しぶりに見た
あの人の夢を。
カーテンを開けると雨が降ってて
灰色の空から落ちる雫を窓越しになぞる
ああ、こんな日だった。
貴方が・・・
逝ってしまった遠い昔は・・
頬を拭い朝食の用意をし始める。
『愛してる。』
貴方の声を思い出しながら、想いを馳せようとすると
「ママー、おしっこー」
「おはよう。ほらパパと行こう。」
賑やかないつもの朝に眼を細めた
慌ただしい毎日が始まる。
───貴方をいつも想うようで
毎日に追われて。
私は・・・生きている。
【 夢のあと 終 】
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