第2章 転…死!

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状況の確認を終えてところで、再び実験を再開する。 まずは、MP切れの原因となったポルターガイストから始めてみよう。MP切れとなったということは、当たり前だが、MPを消費したということ。その消費率を知りたい。 俺は、ポルターガイストと念じる。 先程、同様、家鳴りが起きる。 すぐさま、ステータスを確認すると3秒に1程度の割合でSPが消費されている。 成る程。レベルの増加を考えて、さっきはこれ以上の割合での消費だったはずだから、そら、MP切れにもなるわけだ。 試しに、先程やったのと同様に玉座を浮かせて、回してみたが、消費率に変化はなかった。 MPが勿体無いので、ポルターガイストのスキルを停止させる。停止させる際は、停止と念じれば可能だった。 次は、新たなスキルである鑑定を試してみよう。 実はこれが結構楽しみだったりする。鑑定のスキルといえば、様々なアニメ、漫画、ライトノベル等で、お馴染みのスキルであり、一部では所謂、チートスキルとも言われている。 果たして、どんな便利な効果があるのだろうか?とても楽しみだ…と、いかんいかん。さっき、慎重にしようと決めたばかりではないか! 出来る男は常に冷静。俺は気を引き締め直し、壁に向かって鑑定と念じる。 《壁》 …うん…知ってる… いや!もっと他ないのか!何々城の壁とか! 諦めないぞ!お前はもっとできるはずだ! 俺は次は玉座に向かって鑑定と念じる。 《血塗られた玉座》 …あぁ…それは知りたくなかったな…うん… 俺は改めて自分がいる場所に絶望しつつ、鑑定のスキルに、そっとポンコツのレッテルを貼った。 …よし!気を取り直して次に行こう!次! 次に試すのは、透過のスキルだ。 このスキルは初めからあったスキルなのだが、MPの一件で結局、試さず仕舞いだったのだ。 おそらく、透過という言葉からしてそれこそ、幽霊のように物をすり抜けるスキルなのだろう。俺は実験のために、この部屋の玉座の反対側にある大きな扉の前へと移動する。 説明が遅れたが、この部屋は、縦に長細い長方形のような作りになっていて、最奥に血塗られた(泣)玉座がある。左右には窓が三つずつ、合計六つあり、天井には蜘蛛の巣で真っ白なシャンデリア…の残骸?がある。玉座の反対側には大きくて重厚…ただし傷だらけで所々、何故か赤い、扉がある。
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