第2章 転…死!

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俺は扉の前に立つ…と言うより、浮かぶが正解か。 前に浮かんで改めて感じるが、扉は結構大きく重厚だ。高さは…2メートルちょっと。開けるのは、大の大人でも一人では厳しそうだ。二人で押せば何とかなるだろうか?…そんな感じだ。 さてさて、どの様な段取りで進めようか。透過はさっきの分析で、物をすり抜けるスキルと分析した。なので、取り敢えず、透過と念じながら、扉に体当たりしてみよう。 だが、まずはスキルを使っていない状態で、体当たりだ。何故、そんなことをするかというと、勿論、スキルを使った時と比べるためだが…この体で壁にぶつかればどうなるか?単純に気になるのだ。 もしかすると、スキルなんて使わなくても、扉をすり抜けるのでは?なんて思ったりもしている。 そんなわけで、俺は扉に向かって、勢いよく体当たり! ボヨン… そんな効果音出そうな、まるで水風船を壁に向かって投げつけたような、そんな感じだ。 ぶつかった瞬間、振動が俺の身体を襲い、元いた場所まで押し戻される。成る程、こうなるのか… 結構な勢いでぶつかったので、ある程度の痛みは覚悟していたが、不思議と痛みはなかった。 では、次は本命の実験といこう。 俺は透過と念じ、先程同様、扉に向かって体当たりする。 スカッ! 体当たりをした途端、目の前の景色が変わった。扉をすり抜けたのだ。 おお!これは!…と、ダメだ、ダメだ。ここで興奮して目的を見失ってはいけない。それで酷い目にあったばかりでは無いか。 俺はすぐさま、ステータスにて、MPを確認する。 MPは3減少していた。これで全ての紫表記のスキルを試したことになるが、全てにおいて無事、MPの消費が確認されたので、やはり、紫表記はMP消費型なのだろう。 因みに先程の鑑定のスキルでは、MPの消費がなかった。もしかすると、緑色表記は常時発動型では無いものの、発動の際にMPを消費しないスキルなのかもしれない。まだ、緑色自体、鑑定しかないので、実証は難しいが、他のスキルを手に入れ次第試していこう。
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