第2章 転…死!

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うぅ…まだ、頭がガンガンする… なんだったんだ、アレは? 明らかに、謎の声はあの肖像画に反応していた。 もちろん、悪意は感じなかった…俺に何かを伝えようとしていた?…何を?肖像画の主と関係あるのだろうか? それに、なんなんだ、あのノイズは。前回はノイズはあれど言葉が聞き取れず、挙句、頭痛がするほどなんてことはなかった筈だ。今回に限って何故? 考えれば、考えるほど分からなくなってくる。何しろ、判断材料が少ない。だが、あの声はこの謎だらけの現状において、唯一、この状況を大きく改善に導くことの出来る可能性がある鍵であることは間違いないはずだ。無視するわけにはいかない。 しかし、もう一度、あの肖像画の場所に戻ったとしても、新たな発見があるとも思えない。今俺がすべきは、現状、解決できる問題を先に解決することだろう。 さて、では気を取り直して、スリープモードについての調査を始めようと思う。スキルに関しては、先程の透過で一通りは試し終えた。唯一、スキル:危機察知 のみ、試せていないが、これは常時発動型なので試しようが無い。 スキルの実験の過程でMPもいい具合にに減ってきているので、ちょうどいいだろう。 とはいえ、まだ、半分ちょっとは残っている。勿体無いので、窓の外に向かって、鬼火を連射する。 バンバンバンバンバーン 外に小気味のいい音が響く。さっきから考えっぱなしだったので妙にスカッとする。 ピロリロリーン オメデトウゴザイマス。スキル:連射 ノLVガ4ニ上昇シマシタ。 オメデトウゴザイマス。スキル:鬼火 ノLVガ5ニ上昇シマシタ。 特典トシテスキル:軌道修正 ヲ手ニ入レマシタ。 憂さ晴らしとMP消費のために、鬼火を撃ちまくっていると思わぬ成果を得た。 ステータスを確認すると、新たなスキル 軌道修正 が緑色の文字で表示されている。 おお、緑色とは、ラッキーだ。ちょうど、鑑定の際に挙げた説を立証したかったところだ。 おそらく、今回手に入れたスキルは、名前と入手した状況からして、鬼火の軌道を操作するスキルだと思われる。だから、鬼火を発動する際に、軌道を指定してみよう。 俺は、鬼火を発動させると同時に、右に曲がれと念じてみる。 すると、予想通り、鬼火は右に曲がり、そして弾ける。成る程、中々、便利なスキルだ。
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