第3章 爆発

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さて、俺がスリープモードの実験を終えてから、数日経った。 あの実験でわかったことは、やはり、スリープモードとはMP回復手段であることと、スリープモードに入る際は今日1日の成果というものが報告され、経験値というものを獲得できるということだ。 はじめのスリープモードでその報告とやらの記憶が一切無いのは、やはり、強制的に移行されたからであろう。 あの実験後、手に入れた二つのスキル翌日に試して、性能を確認した。 まず、 思考加速 は常時発動型のスキルであり、その名の通り、思考のスピードが速くなる。このスキルのおかげで、瞬時に判断できることが多くなり、軌道修正 による鬼火の操作が格段に正確になった。 次に、調合 というスキルに関しては実は詳しいことはまだわからない。MP消費型のスキルで、発動すると… ピロリロリーン 調合ヲ行イマス。 レシピヲオ選ビクダサイ。 レシピ:グリーンポーション(チンゲール草) パープルポーション(マナチンゲール草) …というのが表示される。取り敢えず、グリーンポーションを選択すると… ピロリロリーン 材料ガ不足シテイマス。 不足シテイル材料ハ チンゲール草 デス。 …てな感じで、何処ぞの白衣の天使が足りないらしい。パープルポーションの方も同様に材料不足で発動しない。 材料を探すにしても、こんな不気味な石造りの城の中に草なんて生えてるわけがない。外を見ても景色は赤か黒のどちらかであり、緑の入る余地すらない。 残念だが、ここに居るうちはこのスキルは使えそうにないのであった。 スキル、称号以外にも増えたものがある。 それはオーパーツというものである。これに関しては完全に謎で使い方が皆目見当がつかない。 いつも通り、念じたりしてみたのだが、ウンともスンとも言わない。いつも大概のことは念じればなんとかなっていたので、こうなると手も足も出なくなる。 現在持っているオーパーツは一つ…ではなく、実は、二つである。 あの実験の後、もう一度あの謎の肖像画を見に行ったのだ。もちろん、その時はは前回と同じくノイズが酷く何も分からなかった。 だが、何度も足を運ぶ内に毎回、ノイズの中に同じような音が紛れているのに気づいた。 そう!『わ』と『た』と『し』である。つまり、ノイズに紛れてあの声は『私』と考えられることを言っていたのである!
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