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◆ ◆ ◆
私の名前は金村 美冬だ。現在、県内の女子校に通う高校三年生の高校生である。
しかし、私は決して美人ではない。それでいて漫画やドラマの様なキラキラ……もしくハラハラ……ないし、ドキドキ……といった学校生活を送っているわけでもない。
それに、どの部活動にも入っていないので、心を熱くさせるような青春も……特にはない……が、ただ……ここ最近、私は一つだけ嫌なことがある。
でも、そこまで深刻な話……ではなく、なんて事のない……ただ年が近い『兄さん』の存在だ。
私の友人である『小春』にもお兄さんがいるらしいが、なんだかんだ言い合いながらも、私から見ると……結局、仲がいい。
しかし、小春からしてみると『嫌なこと』も『嫌なところ』もたくさんあるらしい。
「でもまぁ、同性の兄弟とか姉妹とかじゃなかっただけよかったよ」
「なんで?」
「いや、勉強はともかく……運動で比べられることはあんまりないじゃん。少しでも『比較される』って事が少ない方が私はいいから」
小春はそう言って笑った。
私が思うに『普通のご家庭』ではやはり男女の身体能力的な差を考慮してくれるのだろう。しかし、それはあくまで余所様のご家庭の話であり、自分の家の話ではない。
そう……私の家では『そんな事』は関係がないのだ。
ただまぁ、昔から『そうだった』という事もあり、周囲から「おかしい」と言われていても私は特に気にしていなかった。
でも、色々と分かるようになった今となっては――やはり『不公平』だと思う。
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