忠言は耳に逆らう

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 私も決して成績が悪い訳ではない。勉強だって常に上位をキープし、運動に関しても運動部に引けを取らない。  しかし、私に対して両親……いや、母は私を褒めたことなんて物心をついてから一度もなかった。  なぜなら、、兄さんが何でも完璧にこなす『完璧超人』だったからだ。  兄さんは今、大学二年生。しかし、大学生でありながら兄さんは父の仕事の手伝いをしている。  一応『アルバイト』という形にはなっているが、実際のところ。社員の人とほとんど変わらないくらいの『働き』をしている。  そんな兄さんは高校の頃から……簡単に言うとすごかった。  兄さんが通っていた学校は『県内でも有数の男子校』で、その中で兄さんの成績は『トップ』だった。  それだけでなく運動も大概のスポーツはそつなくこなし、リレーではアンカーになっていた。  今では『国内有数の大学』に通いながら『アルバイト』をしている……そんな忙しい日々を送っている。  ちなみに、私はその『大学』に入るには若干成績がギリギリだ。  そんな『完璧超人』でありながら性格は……一言で言うと『優しい天然』である。しかも、邪気は一切ない……というか感じられない。
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