エピローグ

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「これだけの数のブロマイドを揃えるのは、さぞかし大変だったじゃろうなぁ」  ホイットニーがしたり顔でそう言うが、セーファスは何も反論できない。今までお金のことで口うるさくホイットニーに言ってきた手前、1枚500円のブロマイドを48枚コンプリートしたなど口が裂けても言える訳がない。 「それと、ネクターインペリアルって、何じゃ?」 「それは……」  セーファスは頭をひねって言い訳を探すが、弁明が見当たらない。 「まさか、2万円以上するシャンパンの類ではあるまいな?」  ホイットニーはあえて回りくどく核心をついた問いをセーファスに投げかける。勝ち誇った表情のホイットニーに対し、セーファスはぐうの音も出ない。 「ま、そういうことじゃ。人と人の関係は理解し合い、理解され合うことが重要じゃからの。わしからは特段何も言わんわい。さ、仕事に戻るかの」  ホイットニーは小さくなっているセーファスにそう言い、堂々と相談室へ向かっていく。  苦虫を噛み潰したような表情のセーファス。その目の前のテーブルにはファイルが開いて置かれている。  ブロマイドに映るマコトの笑顔は、そんな2人を目の前にしてもキラ星のような輝きを見せていた。 【終わり】  本作のモデルになったまこちゃん、復帰おめでとうございます!
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