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ホイットニーはセーファスからブラックサンダーを受け取るとそれを2つに割り、そのうちの1つを口へと放り込んだ。
「のぅ、お主。この世の中には1つ普遍的な真実、変わらない事実があるのじゃ」
「……何ですか?」
「それはな、『この世の中には変化しないものなど何一つ無い』と言う真実じゃよ。人間関係、社会情勢、経済、文化、地球環境、科学技術……何年も前から全く変化してないものなどないわい。ほれ、このブラックサンダーだってたった今半分になったじゃろ?変化しないものなど、存在せぬのじゃ。じゃから自らの心変わりの1つなど、恥じるほどのことではあるまい」
「でも、私は宣言したことを破ってしまいます。きっと私を非難する人はいるはず」
「そんなことない!マコトちゃんのことはみんな……」
間に入ってきたセーファスをホイットニーが右手で制止する。そして
「非難する者?居るに決まってるじゃろ。全員からの支持など得られるはずがあるまい」
「ですよね?だから私は」
とマコトが発した瞬間、ホイットニーは首を横に振った。
「ただ、どんな決断をした場合にでも多かれ少なかれ非難する者は出てくるものじゃ。そう。野球で1点入ったら喜ぶ者もいればその裏で憤る者もいるようにの。だとしたら、答えはひとつじゃろ?」
「……自分が進みたい道を選ぶ、ですか?」
マコトの返答に対し、ホイットニーは黙って頷いた。
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