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教室は、私だけになった。他のクラスも大体終わっているのだろう、内部も外部も静かだった。
──どこからか、聞き慣れた音がする。小さく篭っているけれど、何だか惹かれる音だ。
何の気もなく耳を傾けると、それがギターの音だと直ぐに分かった。恐らく、体育館かどこかで練習でもしているのだろう。
黒川と名乗った男子の誘いと、受験時にした決意とを思い出し、慌てて首を横に振る。
歌いたいなんて、奏でたいなんて思ってはいけない──。
思いを振り切ろうと、再び資料作成を再開した。けれど、現れた講堂ライブとの文字の所為で、それは叶わずに終わった。
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