【 第0章】 転校生

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【 第0章】 転校生

僕は昔からどこか周りと違っていた。 それに自分で気づいたのは、小学校2年生の時。 初めて人を好きになった。恋というものを初めて知った。 人を好きになるということに喜びを感じた。 だから、この想いを伝えようと僕は決心した。 でも、それは間違いだった。 「男が男を好きなんて気持ちわりぃ。」 普通だと思ってた。 でも普通じゃなかった。 僕は男であるにも関わらず、 ゛男 ゛に恋をしてしまったのだから。 その男の子に告白してからというもの、 僕は周りの人間から白い目で見られるようになった。 好きだった男の子には気持ち悪がられ、 挙句の果てにはクラスどころか学年のみんなからいじめられた。 ただ、人を好きになっただけなのに。 結局僕は小学3年生になる直前に別の小学校に転入した。 僕の両親は何も言わなかった。 それが余計に辛かった。 それでも両親は僕を守ってくれた。 僕の味方でいてくれた。 僕にとっての唯一の支えでいてくれた。 だから二度と親に迷惑をかけないと、そう心に誓った。 だから二度と恋もしないと、そう心に誓った。
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