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僕はいつぞやの男にまた会った。
以前よりも覇気がないようだが、気のせいなのか?
男は僕に語り始めた。
「まだ確証はないのですが、猫が戻ってきたようなのです。一時は虎になって大変でしたが、今度はきっと猫であると思うのですよ。まあ、以前と同じ猫かどうかは定かではありませんがね」
別れた猫の話は聞いたが、戻ってきた猫やら、虎やら、僕には話が全くみえなかった。
「先ずは、しっかり飼ってあげることですかね」
男はそう言い残して立ち去った。
結局、僕は男の言っていることが理解出来なかったが、以前より落ち着きがあり、そして何か悟ったような雰囲気を醸し出している、そんな後ろ姿に向けて言った。
「なんか分からないですけど、今の方が良いですよ」
もちろん、男には聞こえていないだろうが。
終
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