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「櫻子?」
菜月は櫻子を探して思い当たる場所をあたった。
けど、どこにも居なくて、諦めかけた。
(ここで、会えなかったら、、、もう終わりってコトかぁ。)
すっかり暗くなって、公園の街灯が桜を照らしていた。
「櫻子?」
もう一度呼ぶ。
公園のブランコに腰掛けている人影を見つけた。
顔も見えないが、櫻子だとわかる。
「なに、しにきたの?」
こちらを見ずに静かに言う。
「櫻子を探してた。」
櫻子は俯いたまま何も言わない。
「さっき、ここで遥とキスした。」
そう告げると櫻子は立ち上がって行こうとする。
その櫻子の手を取る。
「離して。よかったね、両思いになれて。」
「好きだった遥とキスした。」
「何度も言わないでいいよ!」
「、、、何にも思わなかった。 」
櫻子が黙った。
「あんなに好きだった遥にキスされて、何にも思わなかった。自分でもわかんないぐらい、、、。浮かんだのは櫻子、あんただった。」
大きく息を吸って、櫻子の後ろ姿に話しかける。
「自分勝手でいつも突然で、所構わず好き好き言ってきて、私を振り回してくる。今日だって、いきなりサヨナラって、わけわかんないし。」
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