「死神」の見解

2/5
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
診察室に戻ると、見慣れない茶色の瓶が机の上に置かれていた。 「あら?何これ。何かの液体みたいだけど…」 『危ない、触るな!』 Mariaが瓶を持ち上げようとした瞬間、あたしはMariaを引っ張り、瓶を取り上げた。 瓶の中身を見ると余りにも難解な化学式が浮かぶ。 「ちょっと何するのよ!急にっ!」 Mariaの言葉にあたしはMariaの口を塞ぐと、耳元で囁く様に告げる。 『黙ってろ。この部屋は盗聴されてる。お前がこの瓶を触らなくて良かったぜ』 「どう言う事よ…」 『こいつには毒が入ってる。しかも触れただけで効果を発揮する代物だ。Masterが来たら使う予定だったんだろうよ』 そう言うとあたしは茶色の瓶の蓋を開け、自分の右手に少量付ける。皮膚が焼けるような感覚と薬品独特の匂いが辺りに立ち込める。 Mariaはそれを見て驚き声をあげようとするが、あたしが止めた。 あたしは筆談でMariaに聞く。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!