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診察室に戻ると、見慣れない茶色の瓶が机の上に置かれていた。
「あら?何これ。何かの液体みたいだけど…」
『危ない、触るな!』
Mariaが瓶を持ち上げようとした瞬間、あたしはMariaを引っ張り、瓶を取り上げた。
瓶の中身を見ると余りにも難解な化学式が浮かぶ。
「ちょっと何するのよ!急にっ!」
Mariaの言葉にあたしはMariaの口を塞ぐと、耳元で囁く様に告げる。
『黙ってろ。この部屋は盗聴されてる。お前がこの瓶を触らなくて良かったぜ』
「どう言う事よ…」
『こいつには毒が入ってる。しかも触れただけで効果を発揮する代物だ。Masterが来たら使う予定だったんだろうよ』
そう言うとあたしは茶色の瓶の蓋を開け、自分の右手に少量付ける。皮膚が焼けるような感覚と薬品独特の匂いが辺りに立ち込める。
Mariaはそれを見て驚き声をあげようとするが、あたしが止めた。
あたしは筆談でMariaに聞く。
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