3人が本棚に入れています
本棚に追加
『ダガーを止めたか…さすがはMaster。それで今度は誰を殺れば良いんだ?』
「まだその刻でない」
『じゃあ何をしに来た?誰も殺せない俺を嘲笑いに来たのか?』
「そうじゃないさ。ちょっと調べてもらいたいものがあってな…」
『それは俺の管轄外だ。他の奴に聞いてくれ』
「他の奴か…そうだな、そうするか。
それよりもRookの所へ行くんだろう?銃の調整が必要なようだな」
『また見てたのか。まあMasterが相手してくれるなら何時でも歓迎するぜ。
それにしてもこのデザートイーグル、照準がなってない。
コルトパイソンもだめ。蒼焔は何をやってるんだ?』
「自分でやれば良いだろう?あれからずっと変わってないようだが…」
『誰も何も言わないからな』
Kingは呆れる素振りも見せずにあたしの方へ歩いてくる。ダガーを渡しながらあたしに呟いた。
「最期の晩餐の味はどうだった、死翠」
『もう少し上等なシャンパンが飲みたかったな。
でも七色の薔薇の花弁の中で飲むって言うのは粋なものがあったよ』
「お前が愉しかったのならそれで良い。あの場所は新しい店を立てるさ。
次のオーナーはQueenと決める。蒼焔や紅焔にも時々店に顔を出してもらう。
必要な場合はお前が『魂を刈れ』ばいい。
今はRookの所へ行って銃の調整と一緒に身体も診てもらえ」
『また検査か?仕方ないな。受けてくるよ。あ、終わったら蒼焔か紅焔に変わって良いか?』
「構わない。Rookには俺から連絡をしておく。Mariaの所には行かなくていいのか?」
『俺はいいや。「Scylla」で話をしてるし…』
そう言うと、あたしは手を振って射撃場を後にした。
Kingはそんなあたしを見て笑顔を浮かべていた。
最初のコメントを投稿しよう!