「王」と『死神』と『力』

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「王」と『死神』と『力』

あたしは右手に白い手袋をして、病院の入り口まで迎えに出た。病院の受付には人がいない。Kingはあたしを見るとすぐに右手の手袋を見つめて言う。 「蒼焔、傷が出来たか?」 『こんなのは傷には入らねぇよ。ただの火傷だ。多分酸性の薬でも混じってるんだろうな…』 「後でMariaに手当てをしてもらえ。サンプルはあるな?」 『あるよ。ただMasterが持ったら危険だ。このままRookに届ける。それよりもそろそろ役者が揃うと思う』 「罠に嵌まったと言う事か…Mariaの所に行くぞ」 そう言うとあたしとKingはMariaの診察室に向かった。Mariaは机と床から離れている。床には液体が残されていた。 「Maria、大丈夫か?」 「蒼焔のおかげで何事もなかったわ」 「例の部屋のモニターはどうだ?」 MariaはPCを操作して院内の監視カメラをモニタリングしている。受付にいたはずの人間が病室に向かっているのが見えた。 『部屋に近づいてるな。こいつが犯人だ』 「これって受付の子じゃない。嘘でしょ?」 『やっぱりな。正体を現しやがった。Master、どうする?』 「殺すな。奴には色々と聞かないとならないことがあるからな」 『分かった。ちょっと行ってくる』
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