「王」と『死神』と『力』

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そう言ってあたしは病室に近づいた。部屋の近くに来ると、敵は点滴を2つ用意して2人のSPと話をしている。 「点滴の時間なんだよ。通してくれないか?」 「Maria様から聞いていないぞ?」 「連絡ミスか?確かに指示があったんだが…」 「IDを確認したい。IDカードを出してくれ」 「こっちは急いでいるんだ。IDの確認?そんなもの必要ないだろう?」 あたしはダミーの部屋の前で言い争いをしている2人の前に姿を見せた。 『どうした?何か問題でもあったか?』 「あ、Bishop様。この人が病室に入れてくれないんですよ」 『どうしてこの看護師を通さないんだ?』 「IDの確認が取れないからです「蒼焔」様」 『と言うことらしい。IDはあるのか?』 「Bishop様、私を疑うのですか?」 『「Bishop様」ね…この病院でその呼び方はないな。 どこの誰だか知らないが、俺が直々に話を聞いてやるよ』 次の瞬間、その場を離れようとした不審者の右腕をつかみ、上着からカートリッジを取り出すとその腕に刺した。即効性の睡眠薬が身体に回り始め、相手はその場に崩れ落ちた。 『Mariaの診察室に連れて行ってくれ。もう1人は引き続き監視を頼む』 「畏まりました、蒼焔様」 そう言うとSPの1人が倒れた不審者を抱え、あたしは点滴の袋を持ってMariaの所に向かった。 Mariaの診察室に着くと不審者を拘束具でベットに拘束して、あたしは点滴袋を見つめる。中には生理食塩水と農薬が混入されていた。
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