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しつこいくらいに説得して、何とか三人で飲みに行く約束を取り付けた。殆ど脅迫だったけど、とにかく必死だった。
待ち合わせた駅前の時計台。約束は18:30だけど居てもたっても居られなくて早めに着いてしまった。今あいつがどんな奴と付き合ってるのかキッチリ見定めてやる。
いや………そうじゃない。七生の冷めた部分を。自分がどうしても手に入れられない領域をソイツが侵していないか、それを確認したいんだ。俺を入れないんだから他のヤツも入れるな。そこだけ守ってくれたら誰と付き合おうが寝ようが構わないから。
「ナナ~♪お待たせ♪」
背中を叩かれ動揺する。甘ったるいけど……この声……女の子じゃなくね……?
恐る恐る振り返ると、晃介には及ばないものの、そこそこの美形が驚いた表情で俺を見た。
「ごめんなさいっ!人違いでした!すみません!」
俺と七生の後ろ姿を間違えた……男……っておい。おいおいおいおいおい。
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