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大学進学を機に、学校に近い母方の祖父母の家に居候すことになった。
祖父母は今も現役バリバリの農家だ。呆れるほど広い土地で、何人か人も雇って農作物を作っている。私が進学先に農学部を選ぼうと考えるようになったのも、彼らの影響が大きい。
家は古いけどこれまた広い和風建築で、庭では広い池に錦鯉が一匹、悠々と泳いでいる。
そしてこの家には祖父母の他にもう一人、母の弟である雪彦叔父さんが住んでいる。
見るからに優しそうな柔和な顔立ちで、実際とても穏やかで優しい人だから、子どもの頃から私は叔父さんが大好きだった。身体が弱くて農作業はできない叔父さんは、いつも和服を着ていて、生業としている文筆業の傍ら、よく家の中やご近所をぶらぶら歩いている。本人曰く運動と、歩き回っているほうが考え事に集中できるかららしい。
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