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いやいや、それ、私のセリフ。
「ひょっとして、僕のこと拒否っているの?」
「あたりまえだわ、ボケチンが」
「即答」
笑。
なんだ、この会話。
「あの、ばんばらさんはなにが目的で家宅侵入しているんですか」
「あ、そこ戻します?」
戻さないと話が進まないだろう。
エロ気イケメンは組んだ指をじっと見つめて。
「実は、サンタになるための試験なんだ」
「見習いだから黄色いの?」
「ピンポーン」
正解らしい。
「12月の本番に向けての最終試験なんだ。大人に気付かれずに忍び込めるか、という。証拠になるものを持ち帰れれば合格なんですが」
私は男が背中を向けていたあたりに目をやった。そこには、部屋干ししているブラジャーが……。
続けて男の目を見た。私の顔から何かを察知したのか、少年のような笑顔を向けてきた。
「心配しないで。大きさなんて、僕にはなんの問題もないから」
脳は起きてきたけど体はまだまだ睡眠下だ。
「眠くなかったら迷いなくぶん殴ってます」
「ははは。おもしろい人ですね。侵入したのがあなたの部屋でよかった」
笑。
話進めないと。
「なんで大人の部屋なんですか」
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