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「それまではお孫さんと同居しているマダムの部屋に侵入していたんだけど。マダムたちは敏感なのかみんな目をさましてしまうんだ」
なんか、質問の答えになっていない気がするけれど。おもしろそうな話だから聞いておく。
「マダムたちはみんないい人だったよ。なにも言わなくても飴ちゃんくれたり、お札握らせてくれたり」
なんで見ず知らずの家宅侵入者にお札握らす?
どうりで母さん助けてお金が必要なんだ詐欺の被害が減らないわけだ。
「でも、飴ちゃんとお札では試験に通らない。我々は窃盗犯ではないと試験官に怒られた。うまくいかないものだな。マダムたちはみな親切にしてくれたのに」
私の貧乳を隠す布製のそれは窃盗に値しないといわんばかりのエロ気イケメン。
「だから、ターゲットを変えることにしたんだ。家族がいない、一人暮らし、独身に年季の入った女性。ならいけるんじゃないかと。ねっ」
ねっ。ってなんだよ。
おまえだって、どう見ても30代も終了しているだろ。おじさんだろ。
「でも、あなたを見て僕の気は変わった。それは、つまり。ピンクのパジャマがとても似合っている。ってこと」
腹がたつ。けれどいちいちパンチを繰り出していてはこっちの拳がコナゴナになってしまう。
「5歳は若く見えるよ。マジックだね」
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