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手紙を読んで、私は五年後の私を名乗る手紙の主に、心底失望した。
情けない。あなたの五年間では、特別になる努力が足りなかっただけのことではないか。確かに、広大な世界で自分の色を出すのは簡単ではないだろう。どうして五年でやめてしまったのか。井の外ならば、それだけ大きなものが積みあがったかもしれないのに。
それに加え、大切な人も居て、やりたいこともたくさんあったはずだ。どうして逃げてしまったのか。
……いいだろう、私の跡は私が継いでやろうではないか
憤慨しながら、まだ手紙が残っていることを思い出し、残る二通のうち一つを封筒から取り出した。
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