パーティーメンバーは決まったか?

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「この青はハルの白い肌によく似合う色をしていると思う。着てみたらどうだ?」 そういってミカエルは白い歯を輝かせて笑った。 いやそんな爽やかに笑いかけられても、とハルは思う。しかしミカエルの意見を無下にするわけにもいかない。ハルはしぶしぶその青い衣装を手に取って更衣室に入った。 幸か不幸か、ハルは肉付きの薄い体つきをしていたので女性ものの衣装でもすんなりと入った。むしろ尻あたりは余裕があるくらいだ。着替えた姿を見せるため更衣室のカーテンを上げる。ミカエルはハルを見た途端に満面の笑みになった。 「やっぱり似合ってるじゃないか。素晴らしいよハル」 ミカエルは嬉しそうに言うと、ハルの腰を抱き寄せて体をなぞった。くすぐったさにぞくぞくする。さっきから思っていたがミカエルはスキンシップが多い。手を引いたり腰を触ったり、ハルには慣れないことばかりしてくる。ミカエルは見た目からして26くらいだろうから成人したてのハルは子供に見えるのかもしれないが、ハルにとっては恥ずかしく感じてしまうものだった。 「あ、あのミカエル大丈夫だから」 ハルは身じろぎしてミカエルの手を退けた。 「そうかい?僕はこれが良いと思うよ。これにしたらどうだい?」 「ミカエルがそう言うなら…」 ハルは半分やけだった。女物の衣装しかない時点で詰んでいる。ミカエルが男の僕でも目が潰れないというのならまだマシな方なのだろう。正直服は恥ずかしくなければなんでもよかった。ミカエルが似合っていると言うのだから多分大丈夫だ。
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